二条城絶叫

john fruscianteと荒木飛呂彦と舞城王太郎と伊藤計劃が好きすぎて二条城にて絶叫。連絡先は2jojojotaroアットマークgmail.com まで。 Last.fmのアカウントはhttp://www.lastfm.jp/user/nijojo

九井諒子のこと

 好きな漫画家の一人。描いたものをWEBで公表→同人活動→出版社編集にスカウトされて今をときめく知る人ぞ知る新進気鋭の漫画家に・・・というシンデレラストーリーをひた走る稀有な人。もちろん才能があるから、なんだけど、WEBで名前が知られてた段階ではここまでメジャーになると思っていなかった。WEB時代の作品はかなり有名で某2chとか某ふたばとかで貼られていたので名前を知らなくても絵柄をみればこの人か、とわかる人は多いはず。もちろんこの印象はWEBサイドからの印象であって、凝った凝ったストーリーと彼女はかなり有名だっただろうから「いつかデビューすると思ってました」みたいな感想を同人界隈の人なら持っているに違いない。

 色々彼女について語ることはあって、WEB時代に大学云々のことをブログに欠いていたので年齢は今年26前後になるはず。彼女の絵柄から滲む老練さと今時の作家にしては古い名前の付け方、それから、作品に溢れる極めて完成度の高いプロットと演出力から九井諒子オバサン説が流れるが彼女は若いのだ。

 WEB時代は自分の半径数メートルくらいのところから興味の赴くままに作品を作っていたし、その傾向は今でも変わっていないけれど、プロになってからは世相を上手く取り入れるようになった印象。いわゆる時事問題とか政治に対する批判だけでなく、恋愛とか仕事がらみの話とか就職とか結婚出産といった人間なら誰もが経験するような普遍性。それが彼女の持っていたオタク的な思考回路、オタク的な視点、オタク的な感性と上手く融合して九井諒子独特の作品の面白さに繋がっている。もちろん、ファッショナブルなオタクではなく、マイノリティとしての古く良き時代のオタク。そういう人が普遍性を獲得すると強い、ってのを体現しているのが九井諒子

 

 シンデレラストーリーをひた走るにあたって出版社との契約の兼ね合いなのかWEBサイトはリニューアルと称して今までのデータを全て消しての再出発をしたのだが、おかげで今まで見れていた九井作品が見れなくなってしまったのは心残り。いくつかは短編集に収録されているけれど、版権とかネタ的にお蔵入りしているのも多々有って、それが極めて残念だ。商標との兼ね合いで面白さが埋もれてしまう商業性はファックである。ここみちゃん誘拐の話とか。

 

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 久しぶりにブログ(http://nisiniha.blogspot.jp/)を見たら更新されていたのでうれしくなった。九井諒子のエッセンスを生み出すのは彼女の貼っているアンテナがとても広く、意外なところまで及んでいるからだ。ファンなら彼女が何を読んで何を感じてどう暮らしているのかもっと知りたくなるはずで、だからもっとブログを更新してほしいなぁーと思いながらの日記更新。