二条城絶叫

john fruscianteと荒木飛呂彦と舞城王太郎と伊藤計劃が好きすぎて二条城にて絶叫。連絡先は2jojojotaroアットマークgmail.com まで。 Last.fmのアカウントはhttp://www.lastfm.jp/user/nijojo

書評

書評/イトカツ/銀のニーナ 1-3

61% 東京で職を失い田舎へ戻ることになった志摩崎修太郎と、美しい銀の髪と蒼い瞳を持つ少女・ニーナ。 無職独身27歳の叔父と、銀髪碧眼日本マニア10歳の姪が、高原の街でゆるやかな生活を送る──。 日本の夏の様々な風習に目を輝かせるニーナが可愛くて、癒…

書評/ガールズ・ゴー・アラウンド 全二巻/千田衛人

まだニ巻は出ていないけどいちおう連載が完結したので。 13% ループ物。 ループ物の先行作品は数多く世の中にあり、しかもだいたいレベルが高い。ネタとしては出尽くした感がある題材だ。先行作品の平均値がずば抜けて高いために手を付けるとなるとハードル…

書評/漫画/弁護士のくず 1-9

100% 雪のせいで外に出れなくて暇なのでkindleで購入。すげぇよ。すげぇ。読んでて手が(指が)止まらないよ。 絵柄は古いけどめちゃくちゃ面白い。月2連載か月1連載のはずなのにこのクオリティ。この手の業界話をプロットの核に据えた作品はネタが切れるのが…

漫画/書評/緑の王

★★★★ おもしろかった。 たかしげ宙さんはKyoといいアームズといい死がふたりをわかつまでといい、設定練らせたら天下一だなぁ。この中二心を鷲掴みにする要素のオンパレードたるや、もうもうもう。主人公の変形具合が他の植物の進化と地味にリンクしてるとか…

書評/漫画/最後のレストラン 1-4

★ 料理ものなので購入。 死を目前にしたタイミングでやってくる歴史上の偉人の注文に答えるレストランが舞台。着眼点が面白いなぁと思う。料理も監修がついていそうなくらいにしっかりしているし問答も問題なく、プロットが非常にしっかりしているなという印…

書評/高橋ツトム/ヒトヒトリフタリ

いつの間にかに完結していた。福島の汚染水を飲むまでの尋常ならざる盛り上がりっぷりとその後の尻すぼみっぷりの落差にビビる。竜頭蛇尾なのは相変わらずですね高橋先生!線の荒れ方やコミックスになっても修正の入らない連載時そのままの手抜き部分。綺麗…

書評/荒木飛呂彦/荒木飛呂彦の奇妙なホラー映画論

これ絶対にゴーストライターだ。 荒木飛呂彦というよりもジョジョのことが好きすぎて好きすぎて講演があるたびに毎回のように通いつめた私が言うんだから間違いない。本人とも何回か話したことがあるんだよ!これ本人が喋ってるのを書き起こしてる・・・とい…

書評/ふがいない僕は空を見た/窪 美澄

日本に帰ってくる飛行機の中で首をひねりながら読んだ。 てっきり中長編かと思っていたら短編集。女のための女によるR-18文学賞(新人賞)って短編の賞なんだなぁなんて思いながら表紙を開いていざ読み進めて驚愕。舞城王太郎フォロワーもいいところだったから…

書評/伊坂幸太郎/モダンタイムス

二時間ほどで読了。一人称。 これで伊坂幸太郎読んだのは・・・死神の精度/太陽のシール(短編集で)/陽気なギャングが地球を回す/重力ピエロ/ゴールデンスランバー。意外と読んでいない。確か高校の頃に重力ピエロ読んで、20くらいの頃に当時つるんでた友人…

書評/貴志佑介/ダークゾーン

4時間かかって読了。一人称的三人称。 ”良い← 傑作 名作 秀作 良作 佳作 凡作 駄作 愚作 →悪い” ネットで感想や書評を調べてみると、女性読者が凡~愚、男性読者が佳~愚までと全体として評価が悪い作品。わたしは佳作だと思う。ネットで悪いとされている評…

書評/漫画/デッドマンズ・ワンダーランド

完結したと聞いてまとめ買い。エウレカセブン漫画組のオリジナル作、だったんだけどシナリオがいまいち。不運、それこそ作中で描かれる不条理に踊らされた形だなぁと思う。東京マグニチュードしかり、コッペリオンしかり、私しかり、2011年の地震のせいで人…

書評/山本渚/吉野北高校図書委員会

なぎさで変換したら汀が先に出てきてびっくらこいた。こるものさん!本名なぎさんんじゃないですか?てことは「こるもの」を漢字変換して読み方変えたら苗字なんですかね?ハァハァ 50分で読了。一人称。1P 15行×34字 フォントでかいしサクサクだなーと思っ…

書評/天祢涼 葬式組曲

サクサク読めた。各章15分前後で5章、合計75分ほど。 0年代終わりのメフィスト賞作家で、私とは年齢も近かったはず。当然意識しているし、というかそれ以上に応援している。理由は単純で、彼が専業でやっていくことを強く表明しているからだ。今作は講談社以…

殊能将之・書評・鏡の中は日曜日/黒い仏

発行順に黒い仏から。どちらも01年であるはず。 ・黒い仏 ある意味反則的なロジックがプロットの中核にあり、ミステリファンの間である程度の物議を醸すだろうことを見越して書いているのが伺える。思いっきりメタ・ミステリな作品であり、01年当時の流行に…

書評/ダース・ヴェイダーとルーク(4歳)

なんかどことなく、ぐりとぐらっぽいなぁと思って手に取って値段を見たら1400円ちょっとで、ネタ本として家に置いとく分には悪くないかもしれないとおもって購入。実はわたしはスターウォーズが大好きだし、家にあるシャンプーの容器はR2D2だ。 この本は…

書評/森恒二/デストロイレボリューション 1-4

社会の腐った仕組みをぶっ壊す!超能力で!テロリストになって!っていう中学生の妄想を具現化したような漫画。ホーリーランドといい自殺島といい、それが森先生の持ち味。中二病も突き詰めていくとエンターテイメントに昇華出来ると言うのは面白い所。 ホー…

書評/小林泰三/海を見る人

SF。2時間程度で読了。 小林泰三はホラー作家というイメージが強かったけれど、とんでもない化け物作家でした・・・ ハードSF作家ですよ、ハードSF作家。とんでもねぇっつー話。わたしは文系なんでぶっちゃけわからない話もいくつかありましたが、表題作であ…

書評/長嶋有/猛スピードで母は

1時間半で読了。 出版された当時に一度読んでいるので二度目になるはずだが相変わらず良さがわからない。というか昔よりも良さが判らない。強いて言えば読みやすさだけれど、読後に何も残らないのだから困ったものだ。訴えかけてくるものが無い。そういう物…

書評/貴志佑介/悪の経典

前情報なしにハードカバーで読み終わった後にネット巡回してたら文庫版には書き下ろしが追加されてると知ってWhat the Fuck!完全版じゃないですかー、ハードカバー、重版してるんだから単行本のも追加してくださいよー!マニアならそれで3回(あるいは6回)買…

書評/城山三郎/総会屋錦城

小説のジャンルに経済小説というくくりがあって、それを切り開いた城山三郎のデビュー作を含む短編集。かなり最初の方の文学界新人賞で作家になった大学の教授先生だったか・・・経歴はうろ覚えだけれども、今読んでも面白いというのはすごいと思う。昭和三…

書評/南條範夫/駿河城御前試合

打ち合わせついでに神田へ寄ったらあったので購入。3時間半で読了。 古典的三人称。神(作者)の語り口による為心情描写は限りなく抑えられるクラシックなスタイル。 シグルイで南條範夫を知った口である意味大変申し訳なく思っている。長らく絶版だったのが理…

書評/円城塔/Self-Reference ENGINE  という名の円城塔考察 ~舞城と比較して~

完全版たる文庫版の方。読了時間は初回が4時間、今回が3時間。 円城塔をジャンル分けするなら、思索小説としてのSF作家だ。デビュー作にあたる本作からもうぶっちぎりの思索小説である。小松左京賞最終候補での落選から再復活した作品。その時の小松左京のコ…

書評/有川浩/ストーリーセラー 乙一と比較して考える

妹の部屋に落ちていたので。一時間かからずに読了。 良いと悪い、好きと嫌い。この評価基準でいくと、まず良いのか悪いのかがわからない。困ったなと思ってネットで感想を探すと概ねが良し、一部が悪しとつけている印象。 48レビュー 星5つ: (24) 星4つ: (8)…

書評/桜坂洋/All you need is kill

HDDからサルベージしてきた書評を一部書き直し。伊藤計劃が亡くなった後、09年夏の文章。 2時間で読了 多分いままでもこれからもこの作品は虐殺器官と比較され続けるんだろうな。前後関係はうろ覚えだが、All you need is killが04年、虐殺器官が2006年の作…

前半 書評/乾くるみ/イニシエーションラブ 後半 乾くるみ分析

二日に分けて約4時間かけて読了。 書籍の中には何度も読み返したくなる本と、読み終わった後に壁や床に叩きつけたくなる本の二種類があるが、本作はその両方という、とても稀有な作品である。さてこの本、わたしは何度も読んでいて、初回読んだ後は巧み過ぎ…

書評/石田スイ/東京喰種 1-7

空港の書店に7巻が平積みになっていたので。ペニスマンの作者石田スイ先生の最新作ですね。ペニスマンの。 書評というか感想なんだけれども、1巻から巻数を追うごとに絵柄が雑になっていくのが心配で心配で。週刊連載じゃなくて月刊の方が向いてるんじゃあな…

書評/乾くるみ/リピート

飛行機待ちの間HDD整理してたら、08年頃のメモ書きが出てきたので。読み直せば読み直すほど雑文である。 (2時間半で読了) 絶品であった。SF+ミステリ的な仕掛けが上手く機能していてお手本を拝ませていただいたような感想。キャラクターの見せ方と殺す…

書評/杉基イクラ/ナナマルサンバツ

ヴァリアンテが出た頃、エヴァの影響で角川とあればブランド買いをしていた頃に知ったマンガ家。ずっと男性だと思っていたけれど女性だったとは!言われてみれば確かに女性特有の絵柄である。既婚であることはどれかのコミックスの後書きで知っていたが、フ…