二条城絶叫

john fruscianteと荒木飛呂彦と舞城王太郎と伊藤計劃が好きすぎて二条城にて絶叫。連絡先は2jojojotaroアットマークgmail.com まで。 Last.fmのアカウントはhttp://www.lastfm.jp/user/nijojo

映画/エンドオブホワイトハウス/anti viral/Cosmopolis

 飛行機の中で視聴。

 

・エンドオブホワイトハウス/ Olympus Has Fallen/★★

 

 久々にいい邦題。olympus has fallenのオリンパスって作中でシークレットサービスがホワイトハウス陥落を報告する時に使った隠語?フォネティックコード?のことなんだけど、あえて直球のエンドオブホワイトハウスに変えたのは間違いなく成功。

 というのもこの映画、ホワイトハウスが朝鮮系テロリストに占拠されるまでの前半60分が見ものだからだ。残りの60分はアクションとしても微妙だしストーリー的にも微妙だしで正直あまり見どころが無い。テロリストがホワイトハウスを占拠するのを鑑賞するのが目的な映画。あとの60分は正直3倍速度くらいでいい。

 突っ込みどころは多い。

 

・AC130の機銃掃射は40ミリなので作中での掃射シーンで被弾した人は手足が吹っ飛ぶとか上半身と下半身が永遠にグッバイしてないとおかしい。

・そのAC130はどうやって調達してきたんだ。

・18ヶ月前に大統領警護から外され財務省でデスクワークやらされてるジェラルドバトラーが未だにホワイトハウスのシステムにログインできる不思議。

・そもそも911以降シークレットサービス国土安全保障省の管轄だから財務省が噛んでくること自体不思議。

・隠し扉のパスワードも18ヶ月前という杜撰な管理体系。

・顔が既に割れている最高に危険なテロリストが整形もせずそのままの顔で韓国の首脳の警護担当になっているというザルさ。

・韓国側が提供したであろう韓国側警護のプロフィールリストを鵜呑みにして洗わないシークレットサービスのザルさ。

・というか韓国側警護の人間が全員テロリストだ。

 

 もうちょっと真面目に設定作らないと・・・。似たような話の「ホワイトハウスダウン」と制作が被ってしまったので勢いで乗り切ったというかジェラルドバトラーのオナニー映画だったしまぁ、うん。

 ただテロリストが事前に準備して団体ツアーの観光客を装って行動してきた場合、結構為すすべないよなぁと思うのも事実で、そこだけはほんとリアリティがあった。銃器が簡単に入手できる環境にあるんだから、集団で訓練したテロリストがKAMIKAZE覚悟で蜂起した場合、かなり甚大な被害が出るんじゃなかろうか?あ、でも要人同士がホワイトハウスで会ってる場合、ホワイトハウス周辺には規制が入るような・・・。

 アメリカ人からしたら噴飯物の連続だろうし、RottenTomatoesでの47%評価って微妙な数字も納得。あと、韓国人はこれ見て主役クラス来ましたわーと喜ぶんでなく怒るべき。

 

 そして気になるのはモーガン・フリーマンオブリビオン、now you see me、Last Vegas、The Last nights、そしてこの映画と今年5本も映画出てるんですけど・・・。老人特有の黒目の周囲の濁りがどんどん進行してるのもあってなんだか身体がダメになる前にいっぱい映画出とくかー、みたいな空気感を感じてしまう。

 

・anti viral ★★★★

 デヴィット・クローネンバーグの息子の初作品と聞いてかなり期待して観たんだけれどそれを上まわる出来の良さ。

 プロットをまとめると、舞台は近未来。セレブ崇拝が過熱しちゃっててセレブと同じものを身に着けたり髪型真似するだけじゃ飽きたらず、芸能人の細胞培養した肉を食べるとか、セレブが感染した病原菌のクローンに感染するとか、そういうのが流行ってる時代。主人公はセレブが感染した病原菌クローンの販売員兼エンジニアという職業についていて、密かに盗み出した病原菌を売ったり、市場に流通するより先にアイドルの病原菌を自分に打ったりしちゃうある種のキチガイ。それが元でセレブ菌を巡る争いに巻き込まれ監禁され発症し・・・

 もうこの世界観だけで十分気持ち悪いのにまた映像が気持ち悪い気持ち悪い。父親は肉体的な気持ち悪さに訴えかけてくるタイプの映像が強みだったけど、息子は精神的な気持ち悪さ。主演の・・・名前が出てこない・・・俳優の神経質そうな尖った顔と演技力も相まって最高にCreep。

 全体的に育ちの良いセンスの良さが漂っていて、この気持ち悪さはハイソな気持ち悪さなんだなぁと思う。白さにこだわった色調構成なんだけど、それ以上にこだわってるのが寒そうな暗さとでもいうか、ギリギリ暗い白さとでもいうか、コントロールされた不健康的”健康な”白さ。そこにドス黒い不健康極まりない吐血とかもうねー、Sickですよ。そんでそれを飲んじゃうっていうねー。

 

 

・Cosmopolis ★

 

 息子の映画を見たので比べてやろうと思ってお父さんの映画をチョイス。2012年。実はデヴィット・クローネンバーグの映画で見たことあるのってCrash、The Fly、Dead zone、ヒストリーオブバイオレンスの4作だけなんだけど、The Flyは小学校の頃から合わせて20回以上見てるし十分ファン名乗っていいんじゃないか?たぶん平気だ。許される。そういえばジェフ・ゴールドブラムって何やってんだろう。

 ドン・デリーロってトマス・ピンチョンと並ぶ位有名な作家の小説が原作なんだけどうーん。老齢の枯れ果てた映画監督の作品ってなんでこんなにかったるくなるんだろう。クリント・イーストウッドとか宮崎駿もそうだ。それがメッセージ性と結びつけば作品として成功なんだけどこの場合は失敗だ。

 原作あってこれだからなぁ・・・