二条城絶叫

john fruscianteと荒木飛呂彦と舞城王太郎と伊藤計劃が好きすぎて二条城にて絶叫。連絡先は2jojojotaroアットマークgmail.com まで。 Last.fmのアカウントはhttp://www.lastfm.jp/user/nijojo

1400年頃と1660年

この、濃い味付けのキッパーという意味での red herring は、中世期末に遡る用例があり、1400年頃の手稿 Feminaケンブリッジ大学トリニティカレッジ蔵:Trin-C B.14.40)27 には "He eteþ no ffyssh But heryng red."(彼は魚は食べなかったが、赤いニシンは食べた。)という記述がある。サミュエル・ピープスは、1660年2月28日日記に、"Up in the morning, and had some red herrings to our breakfast, while my boot-heel was a-mending, by the same token the boy left the hole as big as it was before."(朝起き、朝食に赤ニシンを少し食べている間に、ブーツの踵を修理させたが、いつものように小僧は穴が空いたままにしていた)と記した

 

 he etep no ffyssh but heryng red.

 eatは古英語(12世紀頃まで)ではetan、中英語(16世紀頃まで(だったと思う)ではetenと大学の英語で習ったなぁ、なんて思い出しながら察するに、変化形まで覚えてないけどeten-etep-etepn?なんだろう。fishがffysshなのは、当時の英語って確か、読みと書きが完全に一致する仕組みだったからだと思う。knightがナイトじゃなくてクニフトだかクニヒトだかって読まれてたって習ったような・・・

 

 1660年の方はほとんど現代英語と違いが無い。近現代英語に大きな影響を与えたシェイクスピア登場後だからだろうか。当時の英語だとYouがThee、Thouだったり、YourがThyだったりするわけで・・・

 

 だったよな?と思ってグーグル検索かけているとhttp://blog.livedoor.jp/adzwsa/archives/32233431.htmlに当たる。

 おおすげぇ、滅多にこんな面白いブログ見つからない。

 

 経済専攻で軽くしか英語を学んでない人間と、恐らく文学部出身で英語を専門に習った人間の教養の差は恐ろしく深いんだなぁとしみじみ。*

 キリスト教(カトリック)でお祈りする時の文句に、Our Father who art in heaven,
hallowed be thy name.Thy kingdom come.Thy will be done.on earth as it is in heaven.
Give us this day our daily bread,and forgive us our trespasses,as we forgive those who trespass against us,and lead us not into temptation,but deliver us from evil.For thine is the kingdom, and the power, and the glory,for ever and ever.Amen.っていうのがあって、日本語で言う天にまします我らが父よで始まる有名なヤツなんだけど 、私はこれを初めて教えられた時thyってなんだよ?って頭の中が???で埋まってしばらくの間、theの変形なのかな?とか思ってたくらいで。

 それからしばらくたったある日、thyがyourだってのを大学の英語で習い全ては氷解するわけだけど、問題は日本語訳をするときにあって。日本だと神は神聖なものなので、「あなた様の」と訳すのかなと思ってたんだよなー。「かしこみ」とかいうくらいだし。だからわざわざyourじゃなくthyを使ってるんだろうと。

 結局thyって書いてあってもお祈りの時はyourって言うし、つまりこれは伝統的に書いてあるだけだってのに気づき、その時ようやく、アメリカやイギリス等のキリスト教圏では「神さまが物凄く近い立ち位置に位置づけられている」ということを頭でなく心で理解したんだった。

 親と兄弟と友人と、そういうのが混然となったような立ち位置。敬意の表し方が畏怖から立脚している日本とはまるで違うんだってのは知識として知っててもなかなか受け入れがたくて。一種のイニシエーションのきっかけになったのがthyだったなぁ、ってスゴイ懐かしくなった。

 

 追記

 

 *・・・あれ?でも過去の記事を見ていると心理学部出身(http://blog.livedoor.jp/adzwsa/archives/20956309.html)と述べておられる。私の大学にあった心理学部は確か文学部心理学科だった。どこの大学も同じような分類だとすれば、取れるコマは文学部のものと共通しているのが多いはずで、つまり文学志向の強い人なら文学部の専門課程のコマも取れる。はずである。

 学部として心理学部をおいてる教育機関は医療系に編重し、その他の殆どが文学部付けなので(明治を筆頭に)、彼女もそうなんじゃないかな、と考えるとやっぱり読みは大きくずれてないと思うんだけど。